結果を出したいビジネスパーソンの方々にとって、自分の仕事を数値化することは非常に重要です。
仕事ができる(結果を出している)ビジネスマンは、得てして数値に強いものです。
なぜ、強いのかと考えると、それは常日頃、大事な数字なのが頭に入っていたり、自分の携わる仕事の数字で考えているからです。
また数字で裏付けされているので、発言や行動に根拠が自分の自信にもなります。
逆に、数字に弱い人は、数字的根拠がないため、精神論や根性論で話したりする人が少なくありません。
本記事では、『数値化の鬼』(安藤広大)で紹介されている仕事で結果を出すための「数値化」のススメを紹介します。
なぜ「数値化」するのか?
「数字」とは客観的事実です。
誤解が生まれてしまうのは「数値化」が欠如しているからです。
- A「たくさん本を読んだ」
- B「少ししか本を読まなかった」
これだけを見るとAの方が読書量が多い様に見えます。
しかし、何冊読んだか聞いてみると…。
- A「3冊読んだ(いつもは平均1冊)」
- B「5冊読んだ(いつもは平均10冊)」
客観的には、Bの方が読書量が多いのです。
「たくさん」「少ししか」と言う言葉には、「数値」が入っていないため、聞く人は自分の基準でその数をイメージしてしまいます。
そこに誤解や錯覚が発生してしまうのです。
しかし、「数値化」すればそこに誤解や錯覚入る余地はなくなります。
「数値化」で自分をマネジメントする
また「数値化」するのは、未来に目を向けるためです。
現状を「数値化」することによって、「不足しているもの」「課題は何か」を可視化することができます。
まず現状を「数値化」(可視化)します。
これだけで満足してしまう人が多いですが、これで終わりではありません。
自分の「理想(目標)」も「数値化」するのです。
「現状」と「理想(目標)」を「数値化」することで、同じ尺度で比較することが可能になります。
また「現状」↔︎「理想(目標)」のギャップも数値で可視化できます。
「数値化」は「このギャップを埋めるために何をするのか?」を考えるまでがセットです。
ここまで考えることができて、初めて「数値化」する意味があるのです。
「数値」というものは、それ単独であればただの客観的事実です。
しかし、本当に活用しようとするのであれば、その「数値」を何かと比較する必要があります。
同じ基準で比較できることで、初めてその「数値」が多い、少ない等の優劣を客観的に見ることが可能になるのです。
仕事で評価されたいなら、評価せざる得ない「数値」で結果を出す
ビジネスの世界では、結果を出している人が勝者です。
そこに頑張りや、努力などのプロセスは一切加味されません。
例えば、あなたの職場に、公平に評価しない上司がいても、あなたが「客観的な数字」で結果を出していれば評価せざる得ません。
「そんな上司に評価されなくてもいい!」と思われるかも知れませんが、「客観的な数字」で結果を出すことが見返すチャンスと考えてください。
部下の立場では、上司が評価せざる得ない結果を出すことが最優先事項です。
また逆に、あなたが評価者だった場合、「客観的な数字」で評価していることを周知できれば、公平性を示すことができます。
曖昧な概念で評価されるから、被評価者に不公平感が生まれてしまうのです。
(気に入ってる部下には評価が甘いと思われる。)
そうではなく、全てを「客観的な数値」で評価させる(する)のです。
- 売上が「いくら」なのか
- 改善行動が「何回」なのか
- 期間を「どれだけ」守ったか
もちろん「数値化」が難しい領域もありますが、それでもなるたけ物事を「数値化」する癖をつけましょう。
そうでないと「結果が出ていないけど、こんなに頑張っています」「数字以外の部分で貢献しています」と言うような言い訳じみた人間になってしまいます。
自分の問題点から目を逸らすような人間を誰が評価するでしょうか?
そんな人間にならないためにも、「客観的な数値」で評価される人間になりましょう。
「数値化」できないと、そのうち壁にぶつかる
年次を経るにつれて、数字の根拠を出し、論点を整理して話さないといけない場面が増えていきます。
- このビジネスは1,000万円の利益が見込めます。
根拠は3つあり…。 - このサービスを導入すれば、毎月500万円のコスト削減でき、10人分の給料が捻出できます…。
この様に、誰かに物事を伝えるには、根拠を「数値化」させることが有効です。
逆に下記のように情熱で押し切る方法しか知らない人は、新入社員や20代では通用するかも知れませんが、30代、40代で壁にぶつかるでしょう。
- このビジネスは、当社の根幹です。死ぬ気で頑張ります!
- このサービスを導入すれば、とにかく便利になり、貴社の利益になります。
こんな数値的根拠がない根性論・精神論では、取引会社や関係部署の信頼を得ることは難しいでしょう。
「数値化」していると失敗を次につなげられる
失敗は貴重な情報です。
「数値化」していれば、「どこで」「何が」「どれだけ」不足した結果、失敗したのか客観的に見ることができます。
しかし、「数値化」していないと、「どこで」「何が」「どれだけ」不足した結果、失敗したかわからないのです。
その結果、何となく「運が悪かった」「集中力が足らなかった」「気合が足らなかった」とふわっとした反省しかすることができず、いつまで経っても具体的な改善がされません。
これでは同じ失敗を繰り返すことになり、結果が出ることはないでしょう。
そうはならないためにも、ざっくりとでも「数値化」することで、自分の行いを客観的に把握するくせをつけましょう。
まとめ
今回の記事では、「仕事で結果を出すためにを数値化のススメ」を紹介しました。
仕事で結果を出すために、具体的な方法が分からないという方も多いはずです。
この記事を読んで、自分の仕事を「数値化」する必要性を学んでいただければ幸いです。
また下記の「あわせて読みたい」では、同じく『数値化の鬼』(安藤広大)から仕事の「変数」に注力し、仕事の成果を上げる考え方を紹介しています。
「ピックアップ」では、さらに仕事の効率化する効果的な仕事の取り組み方を紹介しています。
両方とも悩んでいる会社員の方々にとって、仕事の効率化を実現するためのヒントが詰まった記事となっていますので、是非一読ください。
『数値化の鬼 -「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法-』安藤広大(2022年/ダイヤモンド社)
数値化の鬼 「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法【電子書籍】[ 安藤広大 ] 価格:1485円 |