『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』(千日太郎/著)を紹介いたします。
不動産会社、銀行の担当者は自社に有利になる情報しか教えませんが、そのようなしがらみのない「住宅ローン」に関する人気ブロガーの著者だからこそ伝えられる、損せず得するホンネの話を大公開。これから家を買う人、住宅ローンを借り換えたい人、必読の1冊!
住宅を買うほとんどの人が住宅ローンを利用しています。私も住宅ローンを利用しています。
しかし、ほとんどの人が住宅ローンの内容を理解せずに利用しているのが現状です。私もそうでした。
「何千万円も借り、最大35年もかけて返済するのに、内容を理解していない。」
客観的に見たら、恐ろしくないですか?
今回紹介する『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』(千日太郎/著)は、そんな住宅ローンをわかりやすくて説明してくれている本です。
(私は10冊ほど、住宅ローンの本を読みましたが、この本が一番分かり易かったです。)
- 家を買いたい人
- 住宅ローンを乗り換えたい人
- 変動金利や固定金利について、理解したい人
『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』とは?
現役の公認会計士であり、人気ブロガーの千日太郎さんの著書。
不動産会社、銀行の担当者は自分たちに有利になる情報しか教えてくれません。
しかし、そのようなしがらみのない著者は、利用者目線に立ち、百戦錬磨のプロに言いくるめられないためのホンネの話を大公開してくれています。
住宅ローンの仕組みから、賢い選び方、資金計画、得する返し方、そして数百万円節約できる情報までを、わかりやすく解説してくれています。
この本を読むとどうなるのか?
私はマンションを買い替えているのですが、1回目の購入時は住宅ローンのことは何も分からないまま「金利が安い」ということだけで、変動金利を選択しました。
デフレが続いている日本で、日本銀行が金利が上げるのはまだまだ先。だから、当分「変動金利は安いまま」と楽観視してました。
しかし、2回目のマンション購入時には、日本銀行がいつ金利を上げてもおかしくない状況になっていました。その時感じたのが、この本のタイトル通り、「絶対に損をしたくない」です。
この本以外にも、10冊ほど住宅ローンの本を読んだのですが、正直よく理解出来ませんでした。
不動産会社や銀行の担当者に聞いても「???」。ネットで調べても「???」。
それは、住宅ローンを素人が理解して実行するには難易度が高すぎるのです。
しかし、難易度が高いからといって、仕組みを理解せず何千万円も借りて、最長35年返済するのは、リスクが高すぎると思いませんか?
『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』(千日太郎/著)は、そんな悩みを解消してくれる「住宅ローンの取扱い説明書」です。
- 住宅ローンはどんな商品か?
- やってはいけないことは何か?
- 具体的にどんな危険があるか?
住宅ローンとはどんな商品か?
「住宅ローンとは(中略)毎月決まった額を35年返済なら、420回銀行に払うこと」
『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』(千日太郎/著) 75ページ
つまり、「住宅ローン返済は(最長)420回ノーミスで出来るミッション」にする必要があります。
そのため、筆者は「無理なく完済できる住宅ローン」の4つのルールを提唱しています。
- 毎月の返済は「手取り月収の4割以下でボーナス払いなし」
- 返済額が一定になる「元利均等返済方式」
- シミュレーションの金利は「固定金利」
- 定年時のローン残高が「1,000万円以下」
ルール「1」「2」「3」は、現役時代の「資金繰り」の持続可能性を確保するルール。
ルール「4」は、老後の「資金繰り」の持続可能性を確保するルールです。
住宅ローンでやってはいけないことは?
住宅ローンの最長は35年です。人によっては、自分が生きてきた期間より長い時間の契約です。
大企業が将来の見通しを立てるとしても、5年、10年です。その年数でも計画と現実にはズレが発生します。
つまり住宅ローンで35年後を見通して計画を立てることは、一個人のできるレベルを超えているのです。
上記を踏まえて、「不確定な要素」を返済計画に盛り込むのはNGです。
「将来的には収入が増えるから。」「来年以降もボーナスが出るから。」「変動金利は低いままで行くから」などの希望的観測を加味して計画を立てたのに、希望的観測が外れた場合、計画が破綻してしまいます。
「無理しないと家が買えない」のであれば、今は家を買うタイミングではないのです。
「家を無理して買って」自分や家族を危険に晒すのでは、本末転倒です。
住宅ローンの具体的な危険とは?
1つ目は、前項で挙げた「返済計画に希望的観測を加味した」ことによって、計画破綻の可能性が高まること。
これを回避するためには、「不確定な要素(希望的観測)」を盛り込まずに返済計画を立てることです。
2つ目は金利上昇にローン完済ができなくなることです。
これは「変動金利」の場合のリスクです。(「固定金利」は契約時から金利が変わることがないため)
ただし、「変動金利」で「元利均等返済方式」の場合、「5年ルール」と「125%ルール」があるため、毎月の返済額はすぐに上がることはないです。
しかし、金利が上昇したのに、返済額が増えないといのは、当初の予定通りに元本が減らないことを意味しています。その減らなかった元本は住宅ローン契約で決めた完済日に返済するように請求されます。
つまり、変動金利で金利が上昇したときのリスクは、住宅ローンを途中で返済できなくなるリスクではなく、住宅ローン契約の最後に完済できないリスクなのです。
これを回避するためには、「繰上げ返済でローン残高」を減らすことです。このために変動金利が上昇したときに、毎月の返済額を維持したまま予定の年数で完済するためには、いくら繰上げ返済しなければいけないのかを考えとく必要があります。
3つ目は定年時のローン残高のリスクです。
20代や30代前半で住宅ローンを契約する人にはほぼ無関係ですが、30代後半以降で住宅ローンを契約する人は注意です。
35歳で35年で住宅ローンを契約した人が、完済を迎えるのは70歳。定年の60歳から、まだ10年も返済期間があります。定年を迎えた場合、給与は現役時代から下がるのが一般的です。このため、定年後の10年間の返済が厳しくなります。
20代や30代前半と同じ感覚で借り入れると、定年後の老後が危なくなります。
これを回避するのが、「貯蓄」です。家の購入時までにある程度の貯蓄することで、定年時のローン残高が「1,000万円以下」にするのです。
まとめ
今回は住宅ローンを判りやすく説明している『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』(千日太郎/著)を紹介しました。
是非、今から住宅ローンを組む人、住宅ローンを勉強したい人は一読ください。
本はこちら⏬
また下記の「あせて読みたい」では、本の内容から「資金計画」に知っとくべきことを解説しています。こちらも是非、読んで住宅ローンの理解を深めてください。