株式投資における「ダウの犬」投資法をご存じでしょうか?
簡単にいうと、「アメリカを代表するNYダウ採用銘柄の中で、高配当利回り銘柄に投資する」ことで「NYダウ指数のリターンより、良いパフォーマンスが得られることができる」という投資法です。
(マイケル・オヒギンズが1991年に著書『Beating the Dow』にて提唱)
やり方は以下の通り。
- 昨年末の「NYダウ」採用銘柄から、配当利回りが高い上位10銘柄を選別
- 今年始に上位10銘柄に均等に投資(1年間そのまま)
- 今年末、再度「NYダウ」採用銘柄から、配当利回りが高い上位10銘柄を選別し、投資額をリバランス(→毎年、繰り返し)
“日本版”「ダウの犬」
上記は、あくまで「NYダウ指数」がターゲットです。
しかし、私は「日本」に居て、「円」で生活してます。
円をドルにして交換して、手数料取られるも嫌ですし、為替変動リスクを負うのも嫌です。
(そもそも円をドルにしたり、(利益が出たら)ドルを円にしたり、手数料を考慮して利益計算するのが、非常に面倒臭い…。)
「ダウの犬」投資を「日本株で出来ないか?」と誰かが考え出したのが、“日本版”「ダウの犬」です。
やり方は以下の通り。
- 昨年末の「TOPIXコア30」採用銘柄から、配当利回りが高い上位10銘柄を選別
- 今年始に上位10銘柄に均等に投資(1年間そのまま)
- 今年末、「TOPIXコア30」採用銘柄から、配当利回りが高い上位10銘柄を選別し、投資額をリバランス(毎年、繰り返し)
2021年までの“日本版”「ダウの犬」のパフォーマンス
過去実績では、“日本版”「ダウの犬」投資を行った場合、「TOPIX」を上回るパフォーマンスを得ることが可能です。
(下記サイトの図表1を参照。)
加えて、「TOPIXコア30」上位10銘柄ではなく、上位5銘柄の方がパフォーマンスが良い。
しかし、ここで問題が。
下記サイトには2021年までの実績しかない…。
ネットで探してみても、2022年、2023年の実績が出てこない…。
2023年の“日本版”「ダウの犬」のパフォーマンス
というわけで、2023年の結果を自分なりに計算してみました。
(まとめてるサイトがあれば切実に知りたいです。)
ざっくりに計算しているので、そこはご愛嬌。
各銘柄への均等投資は、わかりやすく100万円を年初株価(A)で買える分だけ。
(日本は100株単位でしか株を買えない&ミニ株は、私がやり方を知らないので無視。)
結果、“日本版”「ダウの犬」は「TOPIX」よりパフォーマンスが良かった。
但し、2007〜2021年までの実績と違い「TOPIXコア30」上位10銘柄>上位5銘柄に。
4位の「武田製薬(4502)」のリターン率が低かったのが原因。
2024年はどうするか?(自分でこの方法を採用するか)
2023年の結果を見た場合。
「TOPIXコア30」上位5銘柄のリターン率は「27.6%」。
比較対象の「TOPIX」のリターン率は「27.1%」。
その差「0.5%」。
私なら、これぐらいのパフォーマンス差なら、この投資方法は採用しません。
それなら、「TOPIX連動のインデックス投信」を買います。
理由は2つ。
- 年始の銘柄選定&年末のリバランスがめんどくさい。
➡︎「TOPIX連動のインデック投信」なら放ったらかしでOK - 投資にある程度まとまったお金が必要。
選定銘柄への均等投資が絶対条件なため、1銘柄でも高い株価があった場合、その銘柄に引っ張られます。
(2023年では、「三井住友FG(8316)」(最小投資額70万円)がそれに当たる。
上位5銘柄買うとしたら、70万円×5銘柄=「350万円」必要。)
➡︎「TOPIX連動のインデック投信」なら、SBI証券なら「100円」から買えます。
上記理由の「2」は日本もアメリカみたいに「1株」単位で購入できれば、解消されるんですが…。
(1単元から購入できるミニ株についても、調べてみることにします。)
ちなみに「TOPIXコア30」上位10銘柄で見ると、リターン率は「35.1%」(TOPIX差:+8%)。
これぐらい、TOPIXに対してリターン率が高くなると、“日本版”「ダウの犬」投資したくなります。
しかし、10銘柄だと、70万円×10銘柄=「700万円」必要…。
結局、“日本版”「ダウの犬」投資をする為には、まとまったお金が必要なのが最大のネックですね。
まとめ
“日本版”「ダウの犬」投資は、2023年においても「TOPIX」のパフォーマンスを上回っていました。
「TOPIXコア30」上位5銘柄の場合、「TOPIX」の差は「+0.5%」。
「TOPIXコア30」上位10銘柄の場合、「TOPIX」の差は「+8%」。
しかし、この投資法を実施するには、まとまったお金が必要になり、そのハードルが高いです。
(各銘柄の投資額上限70万円の場合で、上位5銘柄で「350万円」。上位10銘柄で「700万円」。)
さらに年1回ではあるが、年始の銘柄選定と年末のリバランスがめんどくさい。
“日本版”「ダウの犬」投資を行う人は、少なくとも上記2つのデメリットを認識しておきましょう。
【2024年5月1日更新】
2024年4月末までの“日本版”「ダウの犬」のパフォーマンスの記事を下記に追加しました。その実績はいかに???
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