住宅を購入する際、「住宅ローンの返済計画・資金計画」は大切。
これに反論する人はいないでしょう。しかし、「住宅ローンを借りる」大概の人が返済・資金計画を漠然としか立ていないのが現状です。
私もマンションを購入した際、35年の住宅ローン(変動金利)で借りました。しかし、「35年の住宅ローン返済で何を気をつけるべきか」を何も考えずに住宅ローンを借りました。
大概の人が私と同じような感覚で「住宅ローン」を借りてると思います。
それは仕方のないことだとも言えます。(最大)35年にわたる計画を立てるのが、そもそも難しいのです。企業でも、計画の見通しができるのはせいぜい5年くらいが限度です。
一個人が、35年先までの計画を立てるのが、いかに難しいか理解できるでしょう。
だからといって、返済・資金計画を立てないのでは、最悪破産して家を手放すリスクも発生してしまいます。
この記事では、「住宅ローンの返済計画・資金計画」で押さえておくポイントについて解説します。
- なぜ「不安定要素」を排除するのか
- なぜ「定年後の資金計画」を考慮するのか
- なぜ「繰上げ返済」は「返済額軽減型」がベターなのか
この記事は、現役の公認会計士であり、「住宅ローンの仕組み」「選び方」「資金計画」「返し方」を解説している人気ブロガーの千日太郎さんの著書を参考にしています。
『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』千日太郎(2020年/日本実業出版社)
【ポイント①】確定的な要素のみ考慮に入れる
「住宅ローン」とはざっくり言うと「毎月決まった額を(35年返済なら)420回、銀行に払うこと」。つまり「420回ノーミスで続けることが出来るミッション」にする必要があります。
先ほども書いた様に、そもそも一個人が、「35年先までの計画を立てる」ことが難し過ぎるのです。しかもこの計画の実施をミスすると最悪、購入した住宅を手放さなければなりません。
ここで考えていただきたいのですが、5年後の計画を立てて、思い通りになることがいくつあるでしょうか?5年後でも計画通りにいくことが難しいのに、35年なら尚更です。
ですので、下記の様な(希望的で)不確定な要素は排除しましょう。
- 「将来、収入が増えるから」
- 「ボーナスがきっと出るからボーナス払い」
「希望的で不確定な要素を入れなければ(無理をしなければ)、欲しい家が買えない」のであれば、今は家を買うタイミングではないと考えましょう。
「家族のために」と無理して家を買っても、住宅ローンが返済できなくなり、家族を危険に晒すのでは、本末転倒です。
住宅ローンには「確定的な要素のみ」考慮して、返済・資金計画を立てましょう。
【ポイント②】定年後の資金計画を考慮する
これは定年を越える年数で住宅ローンを組もうとしている(組んでいる)人は要注意です!
現役時代に比べて、定年後の収入は減少する人が大半です。住宅ローンが定年を超えても残る場合は、そこを考慮するして資金計画を立てる必要があります。
賃貸であれば、定年後に自分が払える規模の賃貸に引っ越せば解決です。しかし、住宅を購入し住宅ローンが残っているとそうは簡単に行きません。
定年後に生活が苦しくなり、最悪、住宅ローンを払えずに住宅を手放すことになってしまいます。
これ解決するためには、「住宅ローン控除がある期間で、定年時のローン残高と同等の貯金が貯めれる」です。 つまり、住宅ローン控除でお金が返ってくるからと、旅行や豪遊に使用するのはNGなのです!
これができれば、定年後に住宅ローンを払えないというリスクを解消することができます。
【ポイント③】「繰上げ返済」は「返済額軽減型」がベター
繰上げ返済方法は2パターンあります。
どちらも「期限より前に元本を返済」することで、支払利息が軽減できます。
- 返済回数を減らす「返済期間短縮型」
- 毎月返済額を減らす「返済額軽減型」
しかし、資金に余裕ができたからといって、どっちでもOKではないです。使い分けが必要です。なぜなら「返済期間短縮型」で返済期間を短縮した後で、元の返済期間に戻すことは不可能だからです。
「急遽、お金が必要になった」「病気で休職した」等で返済が厳しくなったからと、返済期間を戻すことはできません。「返済期間短縮型」は完済というゴールが視野に入っている人向けなのです。
完済の確信や見通しがない人は「返済額軽減型」がおすすめです。
- 「返済期間短縮型」は、「定年での完済に向けてラストスパートをかける人」。
- 「返済額軽減型」は、「定年後も住宅ローン返済を継続する人」。
まとめ
今回は「住宅ローンでは資金計画が重要!考慮すべき3つのポイント」について解説しました。
住宅ローン返済は、最長35年と人生でも類を見ない長期間のミッションです。「計画通りに進む」というのは、ほぼ不可能でしょう。だからこそ、住宅ローンの返済・資金計画に不確定な要素は入れてはいけません。確定している要素のみ考慮して、返済・資金計画を立てることをおすすめします。
では次は、その返済・資金計画でキーとなる「変動金利」と「固定金利」について考えてみましょう。
下記の「あわせて読みたい」では「「変動金利」を選択する際に、事前に知っておくべきこと」を解説しています。
また「ピックアップ」では人生の永遠のテーマ「「持ち家」「賃貸」どっちがお得?メリットとデメリット」を解説しています
是非、一読ください。
参考文献⏬の本を読むことで、さらに理解を深めることができます。